書籍

COPA BOOKS

 
地域防災・減災 自治体の役割 — 岩手県噴火危機を事例に —

A5判型/100ページ
定価: 1,080円(税込)
(本体:1,000円)
ISBN4-87299-398-5
発売:2005/10/07

地域防災・減災 自治体の役割
— 岩手県噴火危機を事例に —

著者:斎藤 徳美
(岩手大学副学長)

阪神・淡路など悲惨な災害の教訓と、岩手山噴火危機を地域で乗り越えた著者の実践が伝わる、防災関係者必読の書。

火山・地震のメッカの日本では、避けられない災害とどう向き合うのか。「減災」を発送の機軸に、地域の連携を説く。災害対策の人材育成・継続性・計画性など自治体の課題を明らかにする。

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書評

 (書評掲載:4誌)
 

目次

序章「私と地域防災とのかかわり」
1.「象牙の塔からINSへ」
2.「大学の資産を地域に生かす」
3.「新しい地域づくりとは」

第2章「自然災害は地球の息吹である」
1.「自然災害で国土ができた」
2.「さまざまな自然災害の形」
3.「自身の予測は困難」

第3章「自治体は何をなすべきか」

1.「地震災害の形態はさまざま」
2.「阪神・淡路大震災に学ぶ危機管理」
3.「災害に強いまちづくり」
4.「最大の欠点 専門性と継続性の欠如」
5.「地域連携の必要性」
6.「安全から見た中山間地域の課題」

第4章「1998年岩手山噴火危機での災害対応の実際と教訓」

1.「火山災害の特徴」
2.「岩手山 ことの始まりと経緯」
3.「だれも岩手山の噴火の経験がない」
4.「地元は蚊帳の外」
5.「火山災害の軽減」
6.「地域連携の防火体制」
7.「INS『岩手山火山防災検討会』の取組み」
8.「研究者・行政の橋渡し」
9.「災害情報の公開と報道」
10.「自治体の火山観測への協力」
11.「入山規制緩和への道のり」
12.「『岩手方式』の意義」
13.「キーパーソンと強力な指導力」
14.「今後の共生への課題」

第5章「災害の四角錐 安全を守る連携の形」

1.「岩手で実践された減災の四角錐体制」
2.「あらゆる自然災害へ適用ができる」
3.「あらためて自治体がなすべき役割」
 
 

書評

掲載日:    2005/11/08
掲載紙:    盛岡タイムス
内 容:   

岩手山噴火危機を事例に
地域防災考える
災害時に必要なのは経験積んだ専門職
斎藤徳美氏が著作


  岩手大学の斎藤徳美副学長著「地域防災・減災 自治体の役割 —岩手山噴火危機を事例に」(A5判、100ページ、定価 税別1000円)がこのほど、イマジン出版から発行された。岩手山火山防災に携わった斎藤副学長が地域防災の視点で、地震津波などを含めた自然災害における自治体の果たす役割や岩手独自の「減災の四角錐(すい)」の普及を訴えている。
「わたしと地域防災のかかわり」「自然災害は地球の息吹である」「自治体は何をなすべきか」「98年岩手山噴火危機での災害対応の実際と教訓」「減災の四角錐・安全を守る連携の形」の5章で構成。

   「減災の四角錐」とは、有珠山噴火の対応で示された研究者、行政、報道が連携して頂点にある安全を守る「減災の三角錐(テトラヘドロン)」を岩手独自の体制に変えたもの。住民も連携の一員として4者が地域の安全を頂点に防災に取組む体制を表現している。

   INS(岩手ネットワークシステム)岩手山火山防災検討会などの連携組織がこの体制を具現化させたことなどを解説している。

   斎藤氏は自治体に対して、防災担当職員が2、3年で異動することによる災害対応能力へのマイナスを指摘。

   「(異動時期の)3月31日にファイルの中に『委細、口頭で』と1枚の紙をはさんで担当が変わるというのはジョークにしても、5年にいっぺんは貴重なデータもすべて破棄されるのが役所の現実」と「徳美節」をさく裂。専門知識を持ち、経験を積んだ専門職の継続登用を主張している。

   斎藤氏は「自然災害に対し、これからどう安全に生きていくか。自然災害に対しては、自然の中で生かされている人間の立場として減災の四角錐を普及させたい」と同著への思いを話している。

   自治体議会政策学会(COPA、会長・竹下譲四日市大学総合政策学部長)が行政システムを分かりやすく解説したコパ・ブックス・シリーズの1冊。

 

 



掲載日:    2005/11/08
掲載紙:    都政新報  6面
内 容:   
阪神・淡路大震災から10年がたつ。わが国では、近年、地震、津波、噴火災害が多発し、風水害も繰り返している。外国でも、つい最近も津波やハリケーンでの被害、大規模地震による悲惨な災害が目立っている。

  本書は、火山噴火危機に備えた体験を基にしているが、あらゆる災害対応に適用できる洞察と、深く行政のシステムに関わった中での「減災」の提言は貴重な内容。

  災害に向き合うとき、行政や地域はどのような判断や決断を行わなければならないのか、結論を出すまでの地域住民と行政の関係性がいかに減災の大きな要素であるのかが本書でよくわかる。岩手山の噴火危機が迫り、入山規制をいつするのか、いつ解除するのかが問われ、結果として大規模噴火に至らなかったときに、政治問題や行政不信につながらなかった理由が本書を読んで納得できた。

  地域ごとに情報を丁寧に発信して行われた説明会や、マスコミを減災の一翼を担う機関として協働した経過、行政や住民、学者の真剣な緊張感を持ったかかわりが伝わる。

  著者は、資源工学の専門家であるが、地下構造の解析を地域の安全に役立てる研究を行っている。日頃から地域のネットワークをつくり、岩手山の噴火危機の際、地域災害対策のキーパーソンとして、行政と専門家や住民、マスコミが、協働して地域防災体制を構築する牽引力を発揮した。

  日本で始めて、専門家だけではなく住民にもわかるハザードマップをつくったことや、マスコミを減災の一翼を担うものとして位置づけたことは、後の災害対策の参考となっている。

  また、近年の災害の特徴や、行政の防災体制の弱点、今後の課題がわかりやすく整理されている。特に、防災行政の継続性にかかわる人材の育成や、一挙に金をかけなくても5年や10年かけて計画的なまちづくりで防災力の強化をすすめることや、先を見つめての行政力を養うことなどがよくわかる。著者は「自然災害は地球の息吹。いかに被害を減らすかが行政や地域の力」と記している。

  見やすい編集で一気に読み終えた。命を大切にする情熱と、提言が伝わる関係者必読の書。



掲載日:    2005/11/07
掲載紙:    岩手日報 19面
内 容:   

 

火山防災の実践録出版
「減災」キーワード 
共生への在り方提言


  岩手大の斎藤徳美副学長は、岩手山噴火の危機に直面し研究者の立場で地域防災に深くかかわった実践録「地域防災・減災 自治体の役割 —岩手山噴火危機を事例に— ](イマジン出版)を発刊した。「減災」をキーワードに、災害対策に必要な自治体の役割と課題を指摘する一方、人と人との交流でたどり着いた地域防災モデル「岩手方式」の意義と火山との共生の在り方を説いている。地域防災を考える上で貴重な一冊になりそうだ。
岩手山噴火危機での実践を基に、災害との共生を説いた「地域防災・減災 自治体の役割」

  実践録はA5判、104ページで5章構成。1998年の岩手山噴火危機から入山規制緩和までの6年間について、自ら委員長を務めた岩手山火山災害対策検討委員会の活動を基に記述した。分かりやすい文章からは委員会の熱気が伝わる。

  斎藤副学長は「自然災害は地球の息吹。避けられない」との視点から「減災」のための危機管理体制の構築、災害に強い町づくりを強調する。

  阪神大震災などの教訓も踏まえ、長期的視野に立った施策、専門的な経験・知識を備えた人材の育成など自治体の役割を提唱する一方、現在の行政システムでの限界も指摘した。

  徹底した情報公開など、住民を主体に産学官と報道機関の連携で築いた「地域防災モデルとしての「岩手方式」。地域の安全を守ることを頂点にした取り組みは、各種災害に適用可能なことも浮き彫りにしている。

  初めて一般書を手掛けた斎藤副学長は「岩手発の防災の在り方であり、一人でも多くの県民に参考にしてもらえればうれしい」と話す。

  実践録は2000部作製。1冊1050円で全国の書店などで販売している。

 



掲載日:    2005/10/20
掲載紙:    政府刊行物新聞  4面
内 容: 
 
  地震・火山列島である日本で、地震や火山の噴火の発生をとどめることはできない。できることは、「いかに被害を少なくするか」という、減災への取組みである。本書では、著者の岩手山の噴火危機対応の経験をもとに、自然災害から地域の安全を守るために自治体がなすべき役割について述べる。
 
 
 
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