書籍

COPA BOOKS

 
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A5判型/270ページ
定価 2,376円(税込)
(本体:2,200円)
ISBN:978-4-87299-749-1
発売日:2017/01/28

よくわかる公会計制度
—創設の歴史と現行制度の活用や改革の方向まで—

著者 : 亀井 孝文

徳川幕府の家計から現在の国や自治体の財政まで、その成り立ちと意味が見事に説明されています。

公会計の世界の流れや日本の改革の現状もわかりやすく解説されており、現状の困難や改革が目指すべきより良き社会が浮かび上がります。

公会計論の第一人者で、元南山大学教授・元国際公会計学会会長が一般の人に公会計の大切さを説く渾身の1冊です。

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書評

 
 

目次

第1章 公会計制度 —江戸幕府から明治政府へ—

公会計は古代から

エクスチェッカー

ヨーロッパにおける公会計と複式簿記

近代ヨーロッパの公会計

公的文書や帳簿資料の喪失

大商人の帳簿

『徳川理財会要』の概要

“徳川家の家計”としての会計

厚遇された『吹塵録』にみる勘定帳

『吹塵録』の概要

江戸時代”公”会計は存在しなかった?

江戸幕府の帳簿作成とその吟味

江戸幕府勘定所

財政ひっ迫と「建言」騒動

大隈重信と岩倉使節団

わが国最初の予算書「歳入出見込会計表」

明治初期には幕府時代の帳簿様式を踏襲

西洋簿記法の学習

大蔵省における複式簿記の導入—「フックキービンク」の適用—

わが国公会計における複式簿記の時代

 

第2章 公会計制度の創設 —明治は面白い—

エネルギーほとばしる明治

公会計におけるフランスの影響の始まり

松方正義のパリ滞在

明治14年会計法

「財政」のいい換えとしての「会計」

立法権と行政権のはざまの「会計」

近代化をめぐるイギリス派とドイツ派とフランス派

「フランス会計法」の構成と特徴

明治会計法の起草

明治会計法における簿記法

明治会計法における「予算区分」

「特別会計」はどこから来たのか

ドイツからのカメラル簿記導入

「カメラル簿記」はなぜ知られていないのか

カメラル簿記の語源と転用

後進国の早熟性

 

第3章 公会計の基礎と周辺

公会計の認知度

公会計は「ミクロ会計」

パブリック・センターの会計の呼称

主として戦後現れてきた「公会計」

「公会計」という用語のルーツ

多数派となってきた「政府会計」

「政府会計」の由来

公会計の範囲—その複雑かつ多様な様相

パブリック・センターの構成

公会計はなぜ重要か

気がつけば巨額の財政赤字と公債発行

コスト意識の欠如

驚くべき長期債務残高

国債の保有構造

日銀の国債保有と“ヘリマネ政策”

我が国国債の格付け

デフォルトが発生しないといわれる根拠

債務残高に関する情報の弱さ

世代間負担の衡平性と世代会計

国民負担率と潜在的国民負担率

公会計による世代間衡平性のコントロール

わが国における世代間衡平性の考え方

 

第4章 現行制度の理解とその見直し論

制度疲労の公会計

「入」と「出」に三つの概念は必要か

「会計の区分」とは何か

何を「区分」するのか

「一般会計」における「一般」の意味

「特別会計」の意味

複式簿記の導入と発生主義の概念

「現行制度は現金主義」か

「現行制度の簿記法は単式簿記」か

出納整理間の制度

出納整理期間制度の不適切利用

出納整理期間に関する意識改革の必要性

決算制度—予算に対するその取り扱いの軽さ

決算への関心の低さ

決算の法的重要化を図る必要性

予算制度の構造上的変革

予算編成における専門性の壁

予算審議における制度上の限界

予算編成の改善策

市民参加型予算編成

さまざまな分権型予算編成

フルコスト予算の導入

減価償却論と建設公債主義の溝

企業における退職給付引当金

地方自治体における退職給与引当金

予算原則としての発生主義

「予算規律」の設定

 

第5章 改革の先陣争いとその終焉

制度改革論第一期(明治前半)

制度改革論第二期(昭和30年代)

制度改革論第三期(昭和50〜60年代)

制度改革のポイント

会計の考え方と抵抗感

制度改革のための刺激

わが国における刺激要因

公会計モデル提唱の質的転換

制度改革論第四期(平成初期〜現在)

首長の強力なリーダーシップ

新公会計モデルをめぐる対立構造

政治的連携と公会計制度の改革

総務省による制度改革の推進

一見魅力的な「税収持分説」

家計の財産表

貸借対照表の基本構造

「純資産」、「資産・負債差額」、「正味財政」、それとも「純財産」、どれが本当か

「税収持分説」に秘められた本質

避けられた本質にかかわる議論

財政民主主義に立つ「市民持分」概念

「持分」概念の難しさ

制度モデル統合への動き

財政書類の種類と部分的一本化

「基準モデル」からの本質的変更と妥協

「統一基準」の意義

資産評価の基準

山や川や道路はいくらか

まずは固定資産台帳の作成から

固定資産の価格決定

公会計制度のモデル構築に関する課題

今後に期待されるもの

 

第6章 財政健全化と公会計

公会計における財務書類作成の目的

財政指標と決算カード

地方財政健全化法による健全化判断比率

財政健全化の趨勢

財政投融資と公会計

財政健全化と新しい公会計

 

第7章 アングロ・サクソン型監査の導入

地方公監査の沿革

地方公監査の問題点

地方公監査に関する現行制度

OBの識見委員就任制度

識見委員に関する現状

監査委員による監査の範囲

職員の人員、異動および専門性

外部監査制度の創設

包括外部監査における「特定の事件」

「外部監査契約を締結できる者「の範囲

士業の職域拡大

税理士業界の一大運動と成果

監査業務に対する税理士会界の関心

税理士法と監査

「監査」概念の明確化の必要性

『包括外部監査の通信簿』

地方公監査の枠組み

指摘事項と改善処置要求

情報監査と実態監査

新しい公監査制度の提案

「地方公共団体の監査制度に関する研究会」

公監査基準の設定と課題

指摘型監査、指摘・評価型監査、および、保証型監査

監査領域のタイプ分けと監査人の資格化

公会計の国際的潮流と保証型監査の導入

”グローバル化”の意味

 

第8章 公会計と企業会計の連関

公会計制度と国際関係

公会計をめぐる国際環境

アメリカの公会計制度改革

フランスの公会計制度改革

ドイツの公会計制度改革

オーストリアとスイスの公会計制度改革

企業会計基準の国際化をめぐる動き

EC第四号指令における基本的思考

IASからIFRSへ

アメリカ会計基準の威信とその失墜

IFRSへのEU加盟国の対応

“国際会計基準戦争”とその実相

会計基準の国際化とドイツ

企業会計基準国際化の行方

公会計の企業会計かとイギリス

IPSASとIAS・IFRSとの対応関係

ドイツにおける公会計基準の現代化

IPSAS「概念フレームワーク」

公会計基準に関する国際化への疑問

公会計基準の国際化とEPSAS

公会計制度の国際的統合はすでに十分

国家の威信をかけた会計基準の国際的統合

 

第9章 国際的なヘゲモニー争いの背景

イギリスの“事情”

イギリスにおける経済の衰退と再生

アメリカへのイギリス会計士の移動

ジェントルマン理念

イギリスの影響力

イギリスの拡大EC加盟

イギリスの「お金返して」キャンペーン

イギリスの独自路線

変わらぬ”イギリス的思考”

“ドイツ帝国”への懸念

強いドイツに対する諸外国の対応

不都合なグローバリゼーション

国際的なヘゲモニー争いのなかの会計基準

「公正」概念のありよう

 

第10章 公会計情報は役立っているか—アンケート調査—

制度改革の現状を知る

財務書類作成に用いるモデル

制度改革の進展に関する調査

調査の集計結果(概要)

公会計モデルの現状と展望

「統一基準」への自治体の対応

「統一基準」導入予定に関する総務省調査

「統一基準」導入予定に関する学会調査

総務省と東京都等との間

固定資産台帳の整備状況

行程資産台帳の整備の難しさ

固定資産台帳音整備が進まない原因

公会計情報の分析と活用

総務省による活用方法の提案

ホームページでの公開

これまでの公会計改革は役に立ったのか

確信をもてない受け身の公会計改革

「統一基準」への期待

「統一基準」への期待に関する学会調査

予算編成と公会計情報

アンケート調査からわかること

 

あとがき

 

 
 

書評

 

掲載日:2017/04/01

掲載紙:月刊ガバナンス 4月号 通巻216号 p.134

内容:

公会計に対する関心は、残念ながらそれほど高いとは言えない。しかし、パブリック・セクターで取り扱う収支の莫大な額を思い浮かべれば、公会計に無関心ではいられないだろう。近年では、総務省や自治体の制度改革への取組みによって、その重要性が認識されてきている。

本書では、公会計制度の歴史、問題点、改革の議論、それらを取り巻く内外の状況などを取り上げた。ともすれば敬遠しがちな専門性も面白くてためになる話題として提供されており、読みやすい。ステレオタイプ化した解釈から離れ、別の視角から公会計を考えるきっかえになりそうだ。自治体で公会計の実務に携わる職員、地方議員に一読を勧めたい。

 


 

掲載日:2017/02/15

掲載紙:政府刊行物新聞 4面

内容:

国家の土台を支える理論であり、国家の歩みとともに進展してきた公会計の歴史を紐解き、制度の現在、問題点、改革の議論や世界の流れを見渡すことができる一冊。政治経済の理解も深めることができる。

 

 

 
 
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